今回はこんな相談が来たので「やりたいこと」について考えていこうと思います。
目次
1そもそもやりたいこととは何なのか
「やりたいこと」というのはそもそも何なのでしょう。
- 好きなこと?
- 好きではないけど得意なこと?
- ラクなこと?
- 自分にできること?
色々とあるかと思いますが、まずは「やりたいことはどうやって決まるのか」を具体的にお伝えしていきます。
1-1人は感情を求める
まず最初に前提として知っておいて欲しいのが、
人は感情を感じるために行動を起こします。
美味しいモノを食べるのも、映画を観るのも、洋服を買うのも、旅行に行くのも、人を好きになるのも、全ての行動には「感情を得たい」という目的がある訳です。
つまり、人から感情を取ったら何もしなくなります。
想像してみると分かるかと思いますが、
- 旅行しても、
- 美味しいモノ食べても、
- 映画を観ても、
感情が「無」だったらやろうと思うでしょうか。
行動する動機は生まれるでしょうか。
おそらく完全に無気力な人間になるでしょう。
ここから分かることは「やりたいこと」この根元にあるのは感情を感じることなんです。
まずはこれが前提となります。
1-2今までどんな感情体験をしてきたのか
では、「感情を感じること」が目的として「やりたいこと」というのはどうやって決まるのでしょう。
それは今まで体験してきた出来事の中で、[どんな感情を得てきたか]によって決まります。
特にポジティブな感情体験が多い方が色んなやりたいことが見つかります。
例えば[マジックをやったら凄くみんなに喜ばれて何回も求められた]という体験をして、
それが自分にとって凄く良い感情を生み出したとしたら[マジシャン]が自分のやりたいことになるかもしれません。
両親にマッサージをしたら「凄くラクになったよ!ありがとう!」と感謝をされたという体験をして、
それが自分にとって凄く良い感情を生み出したとしたら「整体師」がやりたいことになるかもしれません。
人によってキッカケとなる体験は様々ですが共通しているのは
《体験から感情は生まれ、体験からやりたいことが決まる》ということです。
つまり感情がプラスに動く体験を沢山している人は、やりたいことの候補を自分の中にたくさん持っています。
逆にポジティブな感情体験が少ない人はやりたいことが少ないわけです。
ここは凄く重要なポイントですので、是非とも頭の片隅に入れておいてください。
2なぜやりたいことが見つからないのか
上記で解説したように、やりたいことを見つけるには[ポジティブな感情体験]がキーポイントとなります。
つまり、ネガティブな感情体験が多い場合は、やりたいことは見つけにくいわけです。
じゃあ具体的にどんなネガティブな感情体験が邪魔をしているのかをお伝えしていきます。
2-1否定されてきた過去がある
子供の頃から否定されることが多いと人は何かにチャレンジするやる気を失います。
特に親子関係がかなり影響しており、厳しい家庭に育ったり、子供に無関心な親の元で育ったりすると、やる気を失いやすくなります。
というのも、子供というのは親からの注目や愛情や承認などのエネルギーを必要としますが、親が厳しかったり無関心だったりすると、それらが得られず、自信や信頼が育ちません。
例えばテストで90点取っても
「何で満点取れないの?」
「ちゃんと勉強してるの?」
などと、褒めることなく否定したり、
満点を取っても
「うるさいからあっち行ってて」
「お母さんは忙しいの」
などと関心を持たず、ちゃんと努力を認めなかったり、
そういうことが日常的にあると、子供は「自分には親に認められるだけの能力が無いんだ」と思い込みます。
すると
- 「何をやってもどうせ認めてもらえないならどうでも良いや」とやる気を失くすか、
- 親の愛情が欲しくて強迫観念のように「頑張らなきゃダメなんだ」と自分を追い込こむか、
どちらかの反応を示します。
どちらにせよ、何かにチャレンジすることの楽しさは全く感じれないので、やりたいことは見つからなくなるわけです。
2-2無価値感がある
根底に[自分になんて何の価値も無いんだ]という思いがあると、何をチャレンジしても無駄なように思えてきます。
結局のところ、価値の無い自分が何かをやったとしても、そこに意味や意義が見出せず、努力をする気が起きない…そんなメカニズムが働いているんです。
そしたら当然やりたいことは見つからないですよね。
これも親子関係の中で身につけた価値観であることが多く、特に親の感情に振り回されて育ったりすると、無価値感を持つ子供になりやすいです。
2-3常に他人の顔色をうかがっている
これまでの人生の中で[他人の顔色をうかがって自分の選択を決めてきた]という人ほど、自分のやりたいことが見つかりません。
これも特に親子関係が影響してますが、あらゆる場面で親が干渉し、
「あーしろ!」「こーしろ!」「あれはダメ!」「これはダメ!」「あなたが心配だから言ってるの!」「ほら!失敗したじゃん!最初から言うこと聞きなさい」
など、親に支配されてしまっていると、子供は自分の意思を持ちにくくなります。
何かにチャレンジして失敗すれば
「ほら見ろ!言わんこっちゃない!」
とばかりに否定して攻撃されるので、
「それなら最初から大人しくしておこう」
と、チャレンジをやめてしまうわけです。
そして[親からの愛情をもらうには、親のご機嫌を損なわない選択が正解だ]という間違った基準を作ってしまうんです。
すると常に親の顔色をうかがっているので、
[親がやってほしいと望むこと]なのか[自分がやりたいこと]なのか、その境界線が分からなくなります。
それを積み重ねてきているので、やりたいことが自分でも分かりません。
仮にそんな中でチャレンジしたとしても「やりたい!」という能動的な動機ではなく、「やらなければならない」という、やらされ感による動機なので、何をやっても楽しくないんです。
だからやりたいことが分からなくなるわけです。
3やりたいことを見つける方法
3-1自分以外の誰かのために頑張ってみる
やりたいことを見つけようとすると「何をやろうか」という視点になりやすいですが、それだと見つかりにくいです。
なぜなら上記でお伝えしたように[ネガティブな感情体験]が邪魔をするからです。
だから「何をやるか」で考えるのではなく、「誰のために」を先に考えると良いです。
というのも、《人は自分のことを考えている時にネガティブな感情になります》
- 嫌われたくない
- 無能だと思われたくない
- 孤独になりたくない
などの自分の保身を考えている時ほど失敗する恐怖心は生まれます。
すると、いくらチャレンジしようとしても中々継続できないですよね。
だから最初は「何をやるか」ではなく「誰の役に立ちたいか」で決めるとスムーズに行動まで進みます。
人は自分以外の誰かのために頑張っている時はネガティブにはならない生き物ですから。
だってスポーツや何かのコンクールや試合などで、誰かを全力で応援している時に気分が暗くなるでしょうか。
むしろ人を応援するとエネルギーは上がるはずです。
だから最初に「こういう人の役に立ちたいな」という想いから入っていき、やることを決めると良いわけです。
3-2「やりたいこと」ではなく「できること」から
いきなり「やりたいこと」を見つけるのは中々大変です。
だから「こういう人の役に立ちたいな」というのを決めたら、その人達のために[自分ができること]からやっていきましょう。
人がやりたいことを見つけていく上で重要なのは[ポジティブな感情体験]です。
つまり、その感情体験があれば[できること]が[やりたいこと]に変わっていけます。
逆を言えば[やりたいこと]を見つけて始めたとしても、ポジティブな感情体験が無ければ、そこに[やりがい]は感じられなくなります。
そしたら結果的につまらなくなるでしょう。
何にせよ重要なのは[ポジティブな感情体験]であり、そのためには行動しなければ何も始まりません。
だから「やりたいことが見つからない」と言って何も行動しないより、[自分ができること]から入って、ポジティブな感情体験を積み重ねた方が早いんです。
3-3人の喜びを感じる
人が[やりがい]を感じる時、そこには必ず2つの共通点があります。
それは
- 成長実感があること
- 人の役に立てること
です。
特に自分がやったことで誰かの役に立ち、凄く喜んでくれる姿を見た時には、本当に嬉しくなります。
この体験が[できること]を[やりたいこと]に変換させていく上で非常に重要なんです。
人は自分のためだけに頑張ろうとしてもモチベーションが保てません。
[できること]を淡々とやったところで、つまらなくなってくるんです。
でもそこで、人が喜ぶ姿や、人から感謝される体験をすると「役に立てて良かった」と嬉しくなります。
それがエネルギーとなって、「もっと頑張ろう!」というモチベーションに繋がるわけです。
すると「成長したい!」という欲求も出てくるので自己成長も早くなり、成長実感も得られ、より楽しくなってきます。
そうなると
- 「あれもやってみたい!」
- 「もっとこうしたら良くなるかも!」
- 「このスキルがあればできることが増えるかも!」
みたいなアイデアも湧き、結果的に[できること]が発展して[やりたいこと]に変わっていきます。
だからこそ一番最初のスタートは、[何をやるか]ではなく[誰のために]から決めるわけです。
[誰かのために頑張る]という土台があるからこそ、できることを模索しようと思えるんです。
それこそが最高のキッカケになります。
そうして[人の喜びを感じる喜び]を得られるようになっていってほしいと思います。
4まとめ
[やりたいこと]を最初から見つけるのは難しいです。
だから[できること]から始めて、感情体験をコツコツ積み上げていってほしいと思います。
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